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韓国留学ブログ 2019. 12~

【試写会レポ&ネタバレなし感想】「パラサイト 半地下の家族」ポン・ジュノ監督緊急来日!

2019年の韓国映画大本命のポン・ジュノ監督最新作「パラサイト 半地下の家族」なんとなんと、日本最速試写会の招待をいただき、無事衝撃とトラウマを受けてきたのでレポします…

 

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「パラサイト 半地下の家族」のあらすじ

 

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あらすじ

キム一家は全員失業中で半地下に住んでいる。長男も長女も受験失敗でフリーター。長男はある日「大学生」と偽り裕福な家に家庭教師の面接を受けに行く。今度は長女を紹介し芸術の家庭教師にさせる。一体キム一家は何を企んでいるのか。そんな正反対の2つの家族の出会いから始まる、予測不能なブラックコメディ。

 

この映画ジャンルが分からなすぎてブラックコメディと言っていいのか分からないのですが、含んでいる要素としてはコメディ、社会風刺、スリラー、ホラー(心理的・精神的)、ちょっぴりアクション、といったところでしょうか。一応PG12です。

 

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監督はポン・ジュノ

 

「殺人の追憶」「グエムル−漢江の怪物−」「オクジャ」と数々のヒットをこれまでに飛ばしてきた、鬼才として知られるポン・ジュノ監督の最新作

 

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🎥 「グエムル−漢江の怪物−」をAmazon Primeで観る 🎥

 

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🎥 「殺人の追憶」をAmazon Primeで観る 🎥

 

「パラサイト」の主演は上記2作品でもタッグを組んできたソン・ガンホ。本作の構想は4、5年ほど前から始まっていたようで、ソン・ガンホ大先生と一緒にお酒を飲みながら「こんな映画やろうと思うんだけど、どう?」という監督の質問に、「面白そうじゃないですか!」と二つ返事したのだそう。

 

 

韓国初パルムドール!

 

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2019年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲りました!こちら韓国初で、もう国内はホントこの話題で持ち切りです。

 

ちょうど公開当時ソウルにいたのですが、現地の友人もこの話で持ち切りで毎日映画館は満席状態でした…!めちゃくちゃロングランで上映されてます。

 

既に世界各国で歴代韓国映画1位の動員数と興行収入を記録。

 

パルムドールを獲ったその日はソン・ガンホさんと飲みに行き、翌日には次のシナリオを書いていたとな…

 

 

 

 

 

日本最速試写会へ

 

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試写会会場は渋谷にあるユーロライブ。開演ならぬ開場時間の1時間前に行ったのに既にすごい列で、やっぱり話題作は違った…

 

私は今回が初試写会参加だったんですが、並んでいるときに上映後のテレビ用インタビューの人を予め捕まえておくんですね!!!どんな基準で選んでるんだろあれ。

 

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席は前から2列目の真ん中をとれました…!大歓喜

 

 

ネタバレなし感想

 

132分のジェットコースター。疲れたけど最高

私の映画オタク人生イチのジェットコースター映画といえばゼロ・グラビティ

 

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🎥 「ゼロ・グラビティ」をAmazon Primeで観る 🎥

 

もう映画が終わるまで息継ぎができない、ゆっくり観れないの代表的映画だったんですが、パラサイトは新たな軸で攻めてきました。

 

ゼロ・グラビティは宇宙サバイバルパニック映画なので、台詞は極端に少なくて映像を追わないとお話がわからないため目が離せない、バクバクする、寿命ォォオオといった感じなのに対して、パラサイトは台詞も登場人物も多いので目をそらしても別に大丈夫なんですが

 

経済的困窮にしろ、感情にしろ、極限状態の人間の行動の読めなさが終始映画を引っ張っていくのでめちゃくちゃ心理的ジェットコースター。

 

多動症のわたしは開始30分ぐらいでもうネタバレを知ってから読みたい気持ちしかなかったんですが、終わったら最高だった…

 

この映画のジャンルはカオスだと思う

Vanity Fair等海外のメディアでは「風刺スリラー」と言われているようなんですが、でもスリラーにしては笑えすぎる。

 

貧しい家庭の下品な笑いじゃなくて、誰にでもある貧乏性的なところを突いてくるから共感の嵐だし、いやらしくない。わざとらしさがない。

 

個人的にいい意味で社会をナメてる人って大好きなんですが

 

っていうのも私自身が多分第三者からの攻撃に対して落ち込みやすかったりするからなんですけど、基本どうせみんなろくなこと考えちゃいないとか、シニカルな目で物を見る人って強いし本人超幸せに生きてる。

 

そういう人ってだいたい強烈な原体験を抱えていることが多かったりして、私の周りでも実際にそうで

 

この映画は貧しい「家族」を使うことで、いろんな世代・性別の"ナメてる人"というか、社会をシニカルに見ざるを得なくなった人たちをめちゃくちゃ綺麗に抽出していました。

 

「ネタバレ厳禁」自体がブランディングになってる 

ポン・ジュノ監督と主要俳優陣は世界中でプロモ活動を一緒にしているのですが、とにかく話の展開が大切な作品なので、ネタバレ厳禁すぎてPRに参加できなかった俳優さんもいたようで…

 

どうかネタバレしないで、何も知らずに観て、とポン・ジュノ監督直々に世界中を回って観客に言っているんですね。

 

それが一番ジェットコースター効果(?)を作っているのも事実で映画のテーマの1つでもあることは間違いないんですが、だってパルムドール獲って絶対に何も知らずに観ろなんて、もう好奇心そそってしかないじゃないですか!!!

 

そりゃPRに実はカメオ出演してるパクソジュンの話なんて一切出てこないですよ。だって既に話題作れすぎだもん。

 

 

上映後ポン・ジュノ監督降臨

 

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まさかのご本人登場で会場が湧きすぎて私は耳の鼓膜が破れそうだったんですが

 

普通の一般試写会か、舞台挨拶があっても脇役の俳優さんかなとか思っていたので、え、やばい同じ空気吸ってる以外の感想が出てこなくて

 

しかもポン・ジュノ監督めっちゃ良い普通のアジョシ(おじさん)

 

エンタメ色が総じて強い韓国映画界の中では文学性の高い監督という認識でいるのですが、そういう方ってカタブツちょっととっつきにくかったりするじゃないですか…

 

 

 

原案はポン・ジュノ監督自身が家庭教師をしていたことから

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ポン・ジュノ監督は延世大学の社会学科出身で、学生時代に家庭教師のバイトをしていたそうで、そのお家がとても裕福で、映画に出てくるような2階建てのサウナ付きのお家だったと!!!

 

監督「家庭教師は後でクビになりました。なぜって?教えていたのが数学だったからですㅋㅋㅋㅋ」

 

撮影地はほぼセット

 

映画本体の展開よりも個人的には驚いたのが、予告にも映っている裕福な家族の家も他の街並みも全部セットらしく、技術班…という感想を抱いたんですが(私はさっきから何を言っていますか?)

 

もちろん街は空の下なので普通に晴れの日雨の日とあるはずなんですが、出てくる街並みをまるごと大きいプールみたいな水槽の中で作って撮影したそう。

 

韓国の記事では主要部の撮影にかけたのはわずか77日とあるのでもう本当に意味がわからない。はい。

 

わざわざセットで作っているということはそこにこの映画のヒントが隠されている可能性大なのでそこに注目してみても面白いかも。

 

 

まとめ: 絶対に前知識なしで劇場で観るべき

 

映画終了後、後ろでポン・ジュノ監督が控えているとも知らずに、会場はずっと拍手と歓声の嵐でした。

 

実は個人的にポン・ジュノ監督作品はあまり好みではなくて(本当にごめんなさい)

 

何かと話題を呼ぶ監督なのは知っていたし、でも韓国映画特有のど真ん中社会派作品を最高のエンターテインメントにして映画をもはやメディアとして使っちゃう、みたいなところが好きだったので、ポン・ジュノ作品はそのバランスが少し違ったというか。

 

でも「パラサイト」は監督の原体験から作られてるからか、本人の素直な面白さが100%反映されていてとっても面白かった!

 

1日経ってからこれを書いているのに未だに余韻のなかです。はあ〜〜〜〜〜

 

日本公開は2020年1月10日です!ぜひ観に行ってみてください!!!

 

 

 

 

 

 

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